こたつでみかん
転職をしてしばらく経ちました。
前職の何が不満だったかというと、単刀直入に残業代が出ないことです。
やりたいことが出来なかったから、など良い文句を言うことは簡単ですが、僕の場合は転職理由の大部分は残業代でした。
こういうことを書くと、「ゆとり」とか「社会なめてる」とか、色々言われそうですが、多分僕のような考えの人も多いと思うので書かせてもらいます。
前の会社はインターネット事業を行う中小企業でした。
僕はインターネットを専門に勉強してきたわけでもなければ、コンピュータが大好きだったわけでもありません。
幼少の頃より本が大好きで、大学では文学を研究してきた完全な文系です。
そのため、入社後にすべて勉強して知識を蓄えてきました。もちろん勉強は本で。
電子書籍の案件をこなしながら、電子書籍にまったく愛着が湧きませんでした。
そして慣れてくると、仕事量は一気に増えました。
大手の広告代理店と一緒に仕事をしていたので、スケジュールは非常にタイト。
納期は2時間後などザラにありました。
サービス残業を強いられる毎日で、残業代が出ないとなると当然モチベーションも下がりますし、やる気はなくなっていきました。
あと、僕が一番納得出来なかったところは、評価基準が非常に曖昧であったこと。
社長に気に入られる人間が、評価されるということです。
加えて、残業をする人間が偉い、頑張っているという評価基準でした。
残業代が出ないのに、残業する人間が評価されるという意味のわからない会社にいる必要性はないので、転職を決めたという次第です。
結果、転職して本当に良かったと感じています。
やはり長期的に働く会社は、条件をしっかり見極めて働きやすい環境があるところがベストです。
最初に荒波に揉まれたおかげで、今の会社は非常に楽です。残業も0です。
おまけに残業代も出ますし、評価基準も明確、上司も良い人ばかり、綺麗なオフィス、自由な環境、やりたいことに手を挙げればやらせてもらえる、など利点ばかり。
今、転職を考えている人はエージェントにお世話になったりすると思いますが、率直な考えをぶつけてしまって大丈夫だと思います。
転職したいと思った時点で、長期的に考えて絶対に転職するほうが幸せになれると思います。
子どもの頃の成長環境に起因して人格が形成されるのと同じく、就業環境によって自身の成長の度合いも天と地ほど違ってくると思います。
こたつでみかんをゆっくり食べる余裕が生まれますよー。
今更だけど、Pink Floyd「夜明けの口笛吹き」が凄すぎる
天才とはシド・バレットのこと。
最近「永遠」とかいうアンビエント色の強い作品を発表したようですが、
ロジャー・ウォーターズのいないPink Floydは、もはやPink Floydではないので興味がありません。
初期のPink Floydには前述の「天才」シド・バレットという男がいました。
元々、シド・バレットがPink Floydのリーダーとして立っており、初期の作品は全然プログレではありません。
サイケデリックを極めた作風です。
シドはLSDをやりすぎて、バンド活動に支障をきたすようになり、Pink Floydのメンバーから追い出されるような形でバンドを去ります。
今現在、プログレッシブの四天王として君臨しているPink Floydですが、シド在籍時のPink Floydはプログレではなくサイケバンドです。
それも、現在まで「夜明けの口笛吹き」を超すようなサイケアルバムはないほど、確立しているサイケアルバムです。
シド・バレットに影響を受けたアーティストは数多くいますが、
シドがいなければ、グラムロックというジャンルすらなかったかもしれません。
その「シドのPink Floyd」としての代表作「夜明けの口笛吹き」
是非聴いてみてください。
個人的には、ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」よりも好きなサイケアルバムです。
(Pink Floydが「夜明けの口笛吹き」をレコーディングしているスタジオの隣のブースでThe Beatlesが「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のレコーディングをしており、ポールに「彼らの演奏には打ちのめされた…」と語ったのは有名な話です)
One Directionの新譜についてAmazonのレビューを見た
1Dの新譜「FOUR」
まだ聴いていないし、どんな作品なのかわかりません。
ただ、言えることは口コミの効果は年々増しているということです。
おおよそのECサイトはみな、バイラル・マーケティングの手法を取っています。
僕も、新しい本やCDを買うときは、本当に好きな作家・アーティストでない限り、必ず口コミを参照します。
そして、思っていたよりも口コミの評価が悪かったりする場合、買う方向で考えていたものを取りやめることもあります。
反対に、買うつもりがあまりなかった気になる商品の評価が抜群に高かった場合、すぐに購入してしまうこともあります。
現在、バイラル・マーケティングの重要性はピークに達しています。
いかに低コストでバズらせるかを考えた時、最も効果の大きい手法は口コミだからです。
話をもとに戻すと、One Directionが新譜を出したのですが、
Amazonの評価を見ていると、「バラードばかりでつまらない!」「アップテンポのまま突き進んで欲しかった!」などの意見がありました。
個人的に1Dはバラードが真骨頂だと感じていたので、このレビューには違和感を感じたのです。
ユーザによって求めるものが統一化されていないことは、1D側も方向性を模索しているということなのでしょうが、Radioheadや、David Bowie、Princeのように、アルバム毎にジャンルを変えてしまうアーティストもいるのですから、そんなに大騒ぎするようなことでもないと思います。
また、そのアーティストの持つ個性は、どんなジャンルに化けても継続します。
ですので、本当にOne Directionというアーティストの音楽性が好きならば、きっと新譜にもどこか良点を発見できるはずなのではないかと。
そんなこんなを思いました。
ちなみに僕は、Midnight Memoriesの「Right Now」が一番好きです。
安室奈美恵「Ballada」を聴いた
いつも洋楽ばかり聴いていたので、久々に邦楽をと思いTSUTAYAでぼんやり棚を眺めていたら飛び込んできたこの一枚。
安室奈美恵「Ballada」
僕は、あまり安室奈美恵の曲は聴いたことがありませんでした。
でも、このアルバム…1曲もハズレがなかった。
安室の低音は聴いていて心地いい!
僕が特に好きなのは6曲目の「think of me」と、7曲目「I WILL」です。
歌詞に注目して音楽を聴いたのは久しぶりです。
洋楽を聴いていると、耳がリズムや音程に注意を払うためにどうしても歌詞がおざなりになってしまうのです。
ボーカルの声も「楽器」として聴いてしまいます。
安室の曲は歌詞がすっと入ってきました。
久々に歌詞カードを読んだりして。
なんだか新鮮な気分になりました。
安室がいつまでもカリスマな所以がよくわかりました。
Sufjan Stevensの「Song For Christmas」について
クリスマスもあと一カ月に迫りましたね。
Sufjan Stevensを知っていますか?
なかなか知名度の低いアーティストだとは思います。
70年代のDavid Bowie、80年代のPrince、90年代のBeck...
この3者に共通するものは、商業的な音楽から脱却し、自分の思うような音楽を創り続けてきたということでしょう。
00年代は、Sufjan Stevensが担います。
様々な楽器を奏で、独創的な音楽を見事に融合させる様は、見事だとしか言いようがありません。
掲題の「Song For Christmas」は、その名の通りクリスマスの曲を集めた5枚組のアルバムです。
既知の有名曲のカバーから、オリジナル曲まで、静謐なクリスマスの雰囲気を堪能できる内容となっています。
是非ご視聴ください!
- アーティスト: Sufjan Stevens
- 出版社/メーカー: Asthmatic Kitty
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: CD
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引きの美学と足しの美学
僕は引きの美学が好きです。
引きの美学とは何ぞや?ということですが、既存のものから必要な要素を抽出し吟味し、他の不要なものを排除することだと考えています。
残しておく要素は、「効率性」であったり「機能性」であったり、「直観性」であったり、ユーザが必要なものに合わせて適宜調整していき、創り手の思想と需要とを調和させるのが好ましいと思います。
ジェームス・W・ヤングは、
「アイデアとは既存のものと既存のものの組み合わせである」
と言っていますが、これを少々変更して、
「アイデアとは既存のものから、必要以外の要素を排除しブランド性を持たせたものである」
と言いたいところです。
音楽でいうと、マイケル・ジャクソンは大衆に合わせた商業的な音楽を制作するために望む要素を「足し」ていったと考えられます。
JBやクインシー・ジョーンズなどの土台を経て、彼なりの解釈によって足して融合した音楽を確立させました。
一方でプリンスは、不要な音をすべて排除し、洗練された美しい音配置による独自のスタイルを確立させました。
両者ともファンク、R&Bの土台が根強く、ライバルとしても認め合っていましたがアプローチ方法は逆だったのではないかと考えます。
まさに「足しの美学」「引きの美学」の構図です。
iPhoneとAndroidも「引きの美学」と「足しの美学」の構図。
今後、世の中はあらゆるものがこの2者の構図によって成り立っていくのではないかと踏んでいます。